おもふこと
癌の疑いをかけられたスポットの事を考えながら、ちょっと思い出した事を書いてみます。

今から5年ほど前の事。

その数年前に、私は母親を亡くしました。乳癌でした。
欝を引きずっていた所に、父にも癌が進行しはじめ、先があまり長くない時期でした。

落ち込んでいた時、ある人にグループカウンセリングを勧められました。

grief & loss という、誰か大切な人を失った人や失いそうな人の悲しみを乗り越える為の、数人で行う話し合いの場です。進行は、心理学のカウンセラーが行います。

色々な人がいました。まだ高校を卒業したばかりなのに、親友が事故で昏睡状態でいつ亡くなるかわからない女の子、おばあさんを亡くして立ち直れない女性、お父さんを亡くして悲しみの底にある女性等。全員が女性でした。

その中で、一人、ある程度の年齢の行った独身の女性がいました。
彼女のそこにいた理由は、「猫が2年前に死んで、まだ悲しみを乗り越えられない」からでした。

正直な話、私はちょっと馬鹿にするような気持ちを持ちました。他の人は、家族や親友の死(や病気)を乗り越えようと必死になっているのに、猫が死んだから参加なの?って。

気持ちがわからなかったわけじゃないんです。ただ、その気持ちを安く見ていたのは事実でした。私が動物を飼っていたのは、何十年も前の話で、当時の悲しみは消えていた時だったから。
その後におこった家族の相継ぐ死(祖父、祖母、母が短期間で他界した)で、自分を可哀想がり過ぎていたのかもしれません。

でもその女性は、本当に悲しみの底にいたんです。亡くなった猫の写真を皆に見せ、猫がどんなに彼女を慰めてくれて安らぎになっていたかを話してくれました。

………………………

そして5年後。
掘っ建て小屋に、猫が住み着き始めました。
3匹だったのに、2匹に減り、当時行方不明になったスタブスがコヨーテに殺されたと疑い、落ち込みました。

そして今日。
たった3ヶ月しかお付き合い出来ていないスポットに、癌の疑いがかけられました。

スポットも他の猫たちも、私にはものすごい大きな存在になっていたんです。
私にも、人並に悩みがあります。悲しくて涙が出るだけの日もあります。
そんな時、猫たちは私を慰めてくれるのです。あの子たちのゴロゴロを聞いたり、体の重さを感じたり、顔を舐められたり、膝から温もりが伝わる時、もうちょっと頑張らなくちゃ、もうちょっと元気にならなくちゃ、と励まされて来ました。「いのち」という6つの大切な物を肌で感じると、暖かいものだけが心に入ってくるんです。

あの6匹がいて、私がいて。
私が猫たちに頼られているのと同時に、私も猫たちを頼っていたんです。

そして、あの時の、グループカウンセリングで一緒だったあの女性の気持ち、わかりかけて来たのです。
彼女も頼り頼られの関係を猫と持っていたんだろうって。その繋がりが消えた時、家族や肉親をなくすのとは違った種類の、でも同等の悲しみに打ちひしがれていたのだろうと。

………でも、まだ、その悲しみを持ちたくはありません。
わかりかけてきたから、余計に。。

スポットが、みんなが、いつまでも一緒にいてくれる事を祈るしかありません。
[PR]
by nekojita6 | 2006-03-18 00:58 | 猫story
<< 今日は大丈夫。 心配事。 >>